知財活性化提言~その132:商品アイテムに絞った権利取得もあり

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「後藤さん、実用新案でいいから、
今後、商品化できそうなアイテムに絞って
出願をしておきたいんです。」

これは、先週訪問した会社で
開発した技術について打ち合わせをしたときに、
その会社の社長がおっしゃった言葉です。

私が会社を退職して独立し、中小企業の
社長と話をする中で、私自身の知的財産に関する
考えも変わってきました。

会社在職時代は、「実質的に権利にならないものを
防衛のためだけに出願するのは費用と時間の無駄」
と考えていましたが、技術を有する中小企業にとって
どんな形であれ知的財産を取得することは
それ自体、意味があるという風に変わったということです。

上述の例も、無審査で権利が付与される実用新案の出願
をするだけでも、他社へのけん制効果が期待されると
経営者が判断した上での依頼でした。

これはこれで適切な判断なのであろうということです。

もう一つ、上述の社長のコメントで重要なことは、
商品化できそうなアイテムに絞るということです。

これも、知的財産はできるだけ広い権利範囲を
取得すべきという考えと逆行しているようですが、
具体的な商品アイデアがあり、試作もして所望の
性能が発揮されることが分かっているのであれば、
まずその商品に絞り、いち早く権利化するという
やり方もありなのです。

もしその後、同じ技術で他の用途開発が
できれば、その都度別に出願するか、
先に出願したものに追加をしていくことで
権利範囲の拡張と技術の囲い込みが
可能になります。

技術開発と商品化の道筋をつけていれば、
中小企業でも大企業とは違った戦術を
実行出来るのです。

単にアイデアを考えたから広く権利取得するという
方向より、商品化ができるからいち早く
その範囲だけでも権利取得しておくという戦術。
この積み重ねでも参入障壁構築とビジネス展開は可能です。

実際にはケースバイケースなので、
費用対効果も考慮し、戦術を考え実行してください。