知財活性化提言~その191:そのAI活用には「ニーズ」があるか?

画像No.191

「この工場では、非常に集中力の高い従業員が
その長所を生かし、クリーンルームで作業をしています。
仕事量が増えればAIによる自動化も一部検討しますが、
今は従業員の力が必要です。」

これは、先日ある会社へ工場見学に行った際に、
一緒に参加されていた質問に対しその会社の
顧問がご回答された言葉を要約したものです。

そのときの質問は、
「この検査業務をAIに置き換える予定はないのですか?」
でした。

実は訪問した工場は、障がい者の方を積極的に雇用し、
全従業員の約60%が障がい者という会社で、
親会社の創業者の理念を基に設立された会社です。

特に耳が不自由な方は、仕事に対する集中力が高く、
細かい検査作業を高い精度で、かつ作業数も
こなすことができるそうで、
ある意味私たちには備わっていない能力を
最大限引き出して仕事をしてもらっていることが
印象に残りました。

ここのところ、このブログで「AI」をテーマに
私の想いを書かしてもらっていますが、
これは、「AIが取って代わってはいけない仕事」
だと感じました。

「AIに取って代われない」のではなく、
「AIが取って代わってはいけない」です。

私は、まずAIとロボットの融合でできる仕事は
「従来、人の手、目でやってきた単純作業」だと
考えていましたが、中には
「特殊な能力を有する人が行った方が雇用も生まれ、
かつ作業能力も高まる」場合もあるんだと思いました。

ニーズがないところにAIとロボットを導入しても
買ってくれる人がなければ事業になりませんし、
知的財産を取得しても活用できないのと同じです。

「本当にニーズがあるのか」を見極めたうえで
AIの活用も考えないといけないということです。

AIだけが独り歩きしないよう、
「ニーズがあるかどうか」も検証して
開発と知財化を進めていきましょう。