知財活性化提言~その215:知的財産の活用を妨げるもの

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「後藤さん、日本で特許の裁判って
あまり多くないですよね?裁判やっても
特許権者があまり勝てないみたいですし。
それも、特許の活用が進まない理由の一つだと
思うんですよね。」

これは、先日ある会合で私の仕事内容の
紹介をさせていただいたときに、
出席者の一人がおっしゃった言葉です。

私の仕事は特許を含む知的財産の取得よりも
活用の支援に重点を置いているという話の中で、
現場レベルで知的財産の活用が進んでいるのか?
という話になり、冒頭のような発言もいただきました。

知的財産高等裁判所が示している統計データによると、
平成30年における知的財産関係民事事件(控訴審)の
新受件数(新たに提起された件数とお考え下さい)は
92件で、ここ最近では控訴審については平成26年をピークに
減少傾向にあるようです。
ちなみに、地方裁判所での第一審の新受件数は
毎年500件程度であまり変わっていません。

また、知的財産戦略本部のホームページを見ると、
「知財紛争処理に関する基礎資料」では、
日本における勝訴率は23%となっており、また
和解で終わっている場合が38%となっています。

日本で知的財産の活用はまだまだ緒に就いた
ばかりと思いますが、今まで活用が進まなかった背景には、
・上述のように、裁判をやってもなかなか勝てないし、
訴訟費用や時間に多大な負担を強いられる。
・もともと、知的財産は守りの道具であり、積極的に
活用する土壌が日本にはない。
・活用の仕方がわからない。

ということがあります。

特に、経営資源が少ない中小企業で、
見えない資産である知的財産は活用次第で
大きなリターンをもたらす経営資源であることを
認識し、その活用戦略を経営戦略に盛り込み
成長を図っていくことを進めていくべきですし、
私も改めて、現場レベルでその支援と普及を
行っていこうと思います。