知財活性化提言~その227:特許の権利範囲=市場独占?

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「後藤さん、電話いただき有難うございます。
先方と、事業譲渡の交渉をしていますが、
先方の提示額の根拠がよくわからなくて、
とりあえず根拠の提示と、価格低減交渉を
しています。
このような案件が当社では結構あるので、
今後後藤さんにサポートしてもらう機会が
あると思います。そのときはよろしくお願いいたします。」

これは、先日メールベースで相談に乗っていた
会社の方に、メールでは意図が伝わりにくかったため
電話をさせていただいた際にその方が
おっしゃったことを意訳したものです。

その会社は、事業の多角化のため
技術と特許を保有している会社との交渉が
日常業務として多い会社のようで、
以前「知財ビジネス評価」をさせていただいた
ことがあります。

今回も、特許を含めた事業譲渡の案件
なのですが、その事業を買っても市場が
果たして独占できるのか?に
疑問を持っておられるようでした。

相手の会社は1件特許を持っておられます。

さて、上述の案件は「特許を持っている」ことと、
「市場を独占できる」こととは
果たしてイコールか?ということになりますね。

確かに、特許を持っていれば、その特許の
権利範囲内では特許を持っている会社や個人が
独占できる権限があります。

しかし、保有特許の権利範囲だけで
事業化したときに市場を独占できるか?は
全く別の視点で考えないといけません。

例えば、
・その市場は現在どうなっていて、今後どうなるのか?
・その市場に影響を与える外部要因(政府の施策、消費者動向など)は何か?
・現在の競合はどこで、どのような技術を保有し、
市場を占有しているのか?
・それに対し、自社の保有特許(あるいは譲渡を受ける特許)と
自社の強みを生かして市場をどれだけ獲得できるのか?

等を総合的に判断しないと
市場をどれだけ独占できるかの判断はできません。

また、保有特許の権利範囲が狭く、他社が容易に回避できるものであった
としても、
回避した結果、コストアップになったり、品質が落ちたり
してしまえば、実質上その特許を使わざるを得ず、
市場を獲得できる特許になるかもしれません。

要は、「特許の権利範囲のみで短絡的に市場性を
判断してはいけない」ということです。

新たな事業化と市場獲得をお考えなら、
上記視点は忘れずに検討項目に入れてください!