知財活性化提言~その236:知財ライセンスビジネスにも経営資源は必要

画像No.236

 

「後藤さん、この特許の取り扱いなんですが、
ライセンスビジネスをするにしても、
マーケットリサーチをしなくてはならない。
試作品を作らなくてはいけない。
試作品の評価もしなくてはならない。
今の当社の事業の優先順位とマンパワーから
考えて、ビジネス化は難しいと考えています。」

これは、先日私の顧客企業様と打ち合わせを
している中で、その企業の社長様が
おっしゃった言葉です。

今回は前回のブログの続編で、ベクトル合わせのための
打ち合わせを行ったのですが、当事者間で
対象としている技術の取り扱いに対する認識が
大きく変わってきていたことが明らかになりました。

今後は、この顧客企業様は事業化を断念し、
この技術を考案した方が、ライセンスビジネスを含め
どのように特許出願を生かしていくかを
検討することになりました。

仮に、知財ライセンスビジネスを行うことを
想定した場合、
対象となる企業として考えられるのは(一般的に)

・当該技術に興味があり、
・その技術が事業戦略に必要であり、
・資金力もマンパワーも十分有している

ことが条件になる場合が多いです。
すなわち、大手企業です。
中小企業でも条件に当てはまる場合もあるかもしれませんが
普通は大手企業を想定しますよね。

一方、大手企業では、
・社長の一存で物事が決まらない。決断が遅い。
・十分なエビデンスを示さないと、社内で承認が得られない。

場合も多く、なかなか進まないという側面もあります。

特に、エビデンスについてはライセンシー側も
調査するでしょうが、まずはライセンサー側で
調査し、プレゼンで技術の優位性や市場でどれだけ
受け入れられるかを示す必要があります。

その意味で、いくら知財ライセンスビジネスといっても
特許を取得するだけではなく、実際の製品やサービスの
優位性を自ら証明する必要があるということになります。

私が常に「活用シーンを想像して知的財産を取得する」と言っている
中には、このような
「相手を納得させられるように、製品を試作し
評価し、マーケットリサーチをする」ことも含まれています。

自社で事業化する場合も、ライセンスビジネスする場合も
経営資源を割いて行わないといけないことは明らかです。
「特許を取得出来たら終わり」ではないのです。

ライセンスビジネスにも経営資源は必要であること、
改めて認識しておいてください。