知財活性化提言~その252:「戦略」と「戦術」の違い

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「後藤さん、弊社は「知財戦略」まではとても取り込めていない状況ですが、
意匠登録出願をして頂いた部品については、
その部品を使った新製品の製造を受託する方向で他社と話が進んでおりますので、
この事業で利益を出せる状態になった暁には、
「知財戦略」であったと言えるのでしょうか?」

これは、弊社のお客様からメールにていただいた
質問の一部です。

6月に拙著「中小企業のための知財戦略2.0」を
このお客様に進呈したところ、早速お読みいただいたようで
「果たして自社で行っている事業に知財戦略は
あるのだろうか?」という疑問を持たれたようでした。

少ない情報だけで恐縮ですが、皆様はどう
お考えになるでしょうか?

上述のお客様は、自社で開発した製品の機能とデザインが
特徴的であり、製品のアピールポイントにもなっているようです。
これで他社と差別化ができ、利益が出れば
知的財産を活用できたことにはなると思います。

この一方、これは果たして「戦略」といえるのか?
ということについては、拙著において
「戦略」と「戦術」の違いにも少し触れていますが、

戦略とは経営資源の配分であり、戦術は配分した
経営資源を具体的にどう使うかということだとすると、

上述のアクションは「戦術」であり、「戦略」は
上述の部品の製造と販売を成功させるために
どのような知財を取得し、そのためにどれだけの
経営資源を投下するか?ということになります。

個人的には、「戦略」と「戦術」の違いを
明確に説明できる経営者の方は実はあまり
いらっしゃらないのではないかと思っています。

自分では「戦略」を策定したつもりが
「戦術」レベルであったという場合もあり得ます。

「戦略」と「戦術」の違い、基本的なことですが
今一度、押さえておきましょう。