知財活性化提言~その257:農業経営における知的財産

画像No.256

 

先日、知り合いの弁理士のお誘いで
とある野菜農家を訪問し、野菜の栽培現場の見学と
農場主へのヒアリングをさせていただく機会をいただきました。

ビニールハウスで栽培している野菜は、
センサーとパソコンを使った環境管理がなされており、
常に高品質の野菜を切らさず出荷できるよう
生産管理がされていました。

農場主いわく、自分たちが行っている
野菜の栽培は半導体製造のような装置産業であり、
巨額で継続的な投資が必要であり、体力がない
農家が生き残ることは難しいとのことでした。

その農場主が心掛けていることは
本来の野菜の味を引き出した、高品質のものを
適正価格で一定の日程で供給すること、
つまり「QCD」の3要素をきちんと管理することで、
私は製造業の経験しかしていませんが
共通項も多いと感じています。

もう一つ、これは中小企業の共通項として
「性能や品質に独自性があり、よいものを
提供しているのに、なかなか販売拡大に
繋がらない」ということでした。

野菜についても、「よいものを作れば売れる」
のではなく、他の農家の野菜と差別化できる
点を見出し、それをアピールするための
マーケティング戦略構築とそれを実行するための
ツールつくり、ツール活用が必要であることも
製造業との共通項です。

ツールの一つが知的財産です。例えば、
ITを活用したおいしい野菜の製造システムや、
おいしさや独自性をアピールしたネーミングを
知的財産を使って押さえていくということも
ツールになり得ますね。

SNSによる消費者への情報発信も積極的に
行っていく必要もあります。

農業においても、知的財産は経営ツールとして
十分に活用できる可能性があります。
私たちも、生活の上で必須である食物を供給してくださる
農家への知的財産支援に取り組む必要があることを
痛感した一日でした。