知財活性化提言~その34:知的財産を活用する側とされる側の違い

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「こぶしを振るのも振られるのも大変やけど、

案外な、こぶしを振り下ろされた方より、

こぶしを振り上げた方の方が難しいと思うで。」
これは、かつて私の上司が、特許に関わる交渉の

前打ち合わせの際に私に言った言葉です。

これだけでは何のことかわからないと思いますが、

特許を含む知的財産を活用する側がいれば、

活用される側が存在します。これは当然ですね。

私は活用する側(ライセンスを許諾する側)と

活用される側(ライセンスを受ける側)を両方

経験していますが、まさに上司の言った言葉を

実感することがよくあります。

それは何か?

いわば、知的財産を活用する側は「こぶしを振り上げる側」であり、

活用される側は「こぶしを振り下ろされる側」になるわけですが、

活用する側からすると、振り上げたこぶしは何らかの形で

振り下ろさなければなりません。言い換えれば、

「落としどころ」を見つけて振り下ろさなければ

何時まで経ってもこぶしは振り上げたままになり、時間と経費が

浪費してしまいます。

また、こぶしを振り上げた方は、「振り上げたからには

必ず成果を出さないといけない」というプレッシャーがかかります。

負けてしまえば大変なことになるからです。

それに対し、こぶしを振り上げられた側は、「何とか解決しないと」

というプレッシャーがかかる中、何とか解決策を見出そうとしますが

不可抗力でどうしようもない場合もありますし、

受け身で相手の攻撃を受け止める方が、相手の出方も測れますし、

精神的には幾分楽です。

このようなことを理解しないまま、

やみくもにこぶしを振り上げる(権利行使する)と経営資源と精神の浪費になり、

必要以上にこぶしを振り上げられたことを後悔しても、何も解決ができなく

なるのです。

つまり、

権利行使するときほど慎重に相手のことを調査・分析し、

自社のことを客観的に評価する必要がありますし、

権利行使されたときは冷静に状況を見極め、速やかに善後策を考えて行動に移す

必要があります。

これが逆になったとき、知的財産は双方にとって「凶器」となってしまうのです。

あなたの会社では今、「こぶしを振り上げよう」としていますか?

本当に振り上げても大丈夫ですか?