知財活性化提言~その35:知的財産を最大限活用するための考え方

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「私はね、ウチの技術は真似されてもいいと思ってるんですよ。

ある意味有名税ですし、それだけウチの技術を

認めてもらっているということですからね。」
これは、先日大阪のとある会社の経営者と面談した際に

その経営者がおっしゃった言葉です。

私からは、

「そうですね。真似されていることを逆手にとって

連携を組むことも考えられますし、知的財産の

使い方によって良好な関係作りもできる可能性もありますね」

とお答えしました。
知的財産を活用する手の一つに、

「真似されたら、真似した相手を訴えたり、

警告をしてやめさせる」という方法があります。

しかし、この方法は(特に中小企業にとっては)必ずしも

よい方法ではありません。

相手を訴えるにはそれなりの調査と事前準備が必要ですし、

訴えた後の肉体的・精神的負担は想像を絶するものがあるからです。

要するに訴訟や警告は相手に「宣戦布告」をして喧嘩をする

ことですから、こちらによほどの勝算・資金力・人材

(つまり経営資源)がなければ訴訟はやるべきではないというのが

私の考え方です。

それよりも、真似をした相手のことを分析し、例えば

「非常に品質の高い製品を作る能力があるから、ここは

リーズナブルな価格で実施を認め、協力関係を作る」方が

得策な場合もあるのです。

実際、大手企業では模倣された中国メーカーと手を組み、

安価で良質の製品を世に出している例もあります。

その意味で、上述の経営者の考え方は間違った方向ではないと

考えています。

一方で、「技術が真似されている」ことのみに腹を立てたまま、

何も対策をしない企業も少なからず存在します。これは最悪です。

いつのまにか相手企業に市場を奪われたまま、手をこまねいて

見ているだけしかできない・・・という状況にもなりかねません。
つまり、真似されたことだけを見るのではなく、その向こうにある

相手のことを冷静かつ徹底的に分析した上で、知的財産を

どう活用すれば最も効果的かを見極めないといけませんし、

アクションプランを立てた上で

それを確実に実行に移さねばならないのです。

一見当たり前のようですが、知的財産のように普段見えないものは

この一連の行動がなかなか起こせないことも事実です。

皆様も一度考えてみてください。
御社では知的財産をどう活用すれば最大限の効果を

発揮できるか考えていますか?