知財活性化提言~その42:知的財産交渉に必要な「予習と復習」

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「交渉が終わったあとに、こうやって
すぐ検証することが大事やで、後藤さん」
これは、私が会社員として他社との知的財産の交渉を
終えた後、同席した当時の私の上司がおっしゃっていた言葉です。
当時、他社との知的財産をめぐる交渉の最前線で
指揮を執っていた私の上司と、私がタッグを組んで
交渉を行っており、交渉後には必ず
交渉が行われた会議室、或いは他社で交渉を行った場合は
その帰りの電車や新幹線の中で、交渉の振り返りと
対策について議論をしていました。今でも、
この姿勢は非常に大事であると考えています。

さて、以前このコラムにて、「交渉前のシミュレーションと
ロールプレイングの重要性」について書きました。
(ご覧になりたい方はこちら:

http://www.ipmaacurie.com/?p=316)

これはいわば交渉前の予習=自社と他社の知的財産と、それを
取り巻く思惑・想定される交渉内容を事前に
予測し、ロープレで再現してみるということでした。
しかし、実際にはシミュレーション通りにうまくいくのかどうか?
非常に逆説的なことを言うようですが、例えば全く知的財産の交渉を行っていない会社が、
いきなり交渉を思い通りに進め、成功することは非常に困難であると考えねばなりません。
その成功率を高めるために、事前の周到な準備(自社の知的財産と本当の強みの見せる化、
相手先候補の絞り込みと分析、ロールプレイングとシミュレーション)の重要性を
以前本コラムで説明したのですが、成功率を高める上でもう一つ重要なことがあります。それは、

「交渉終了後、その振り返りを行い、良かった点、悪かった点を洗い出して、
次回はどう改善するかを考察しておく」ことです。
事前準備が「予習」だとすれば、この交渉終了後のフォローは「復習」です。

知的財産の交渉が成功するための要因は、大きく4つに分けることができます。

①適切な知的財産の選定
②自社の交渉力
③相手先の選定
④条件設定

この4つが全てマッチングできなければ、交渉は成功しません。この観点から、
・交渉相手の選定が違っていた?
・交渉相手の選定は正しかったが、真意を読み間違った?
・交渉の仕方がおかしかった?
・対象とする知財の選定が間違っていた?
・「落としどころ」の設定がおかしかった?
等々を、社内で徹底的に議論し、問題点と対策を練りこむことが必要です。

これができていないと、たまたま交渉がうまくいっても
その要因がなんだったのかが把握できず、次に生かせるような見える化ができませんし、
交渉が失敗したときは尚更、その原因を分析できず
対策を打つこともできません。
交渉の「予習と復習」はセットで初めて生きてくるのです。
あなたの会社は、知的財産交渉の「予習」と「復習」をしていますか?