知財活性化提言~その46:知的財産活用の一側面「自社開発の可能性」

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「後藤さん、うちの会社は持っている特許を
ライセンスすることは全く考えてないねん。
それより、それらの特許を社内でどう使って、
いらない特許をそういう基準で選別するかの方が
大事と思ってるんや」

これは、約2カ月ほど前に訪問した会社にて、
私から弊社のサービス案内をさせていただいた際に
社長が言われたことの要約です。
確かに、特許を含んだ知的財産をどう活用するかは
会社それぞれであり、まずは自社でどう活用していくかに
重点を置くことも必要であると思いながら
拝聴していました。

さて上の例のように、知的財産の活用として
他社や他人にライセンスする考えもありますが、
「まず自社で開発ができないか」という検討も企業によっては必要な場合があります。
例えば、自社の将来ビジョンとして
「商品開発は全て自社内で行うことを目指す」のであれば、
それを実現するための手段として、「保有する知的財産を社内で最大限活用し、
自社で商品開発を行い、市場に投入していく」ということになり、
自社開発自体は自社のビジョンとなんら矛盾しないということになります。
特許法上も、取得した特許は独占排他権であり、保有している特許は自社で独占的に実施することを前提としています。

では、この場合の「相手」とは誰になるのでしょうか?
当然ながら、このときの「相手」はその商品を買っていただく「顧客」ということになります。
特許を含む知的財産をフル活用して生まれた商品は、顧客に買っていただくことで初めて
「知的財産を活用できた」ということになるからです。
ただし、この「自社開発」ができるのは、よっぽど経営資源が潤沢で、
技術開発への投資と設備投資の余力がある会社でないと実際には難しいのではないでしょうか。
また、全て自前の技術だけで商品開発ができればいいですが、顧客が要求する(と思われる)付加機能や、
安定した品質で商品を作るために果たして自社開発だけでできるのかどうか?
等、難しい課題が生じてくることも皆無ではありません。
この場合は、自社だけでなく、適切な「相手」を選定し、その「相手」のことを適確に分析し、
自社の知的財産を活用して連携を組むということも考えなければなりません。

自社内の経営資源を客観的に把握・分析し、どのような選択肢が最適か・・・
経営者の重要な仕事です。当然のことですね。

御社では、自社の経営資源に即した事業戦略を採用していますか?