知財活性化提言~その48:知的財産交渉における「超えるべきハードル」(1)

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今回から、3回にわたって
知的財産の交渉におけるハードルを
いかにして超えるかについて
書こうと思います。

まず第1回目は、「相手の意図を見極める」ことについてです。

相手先候補とのアポイントが取れ、具体的な交渉日時とメンバー
(自社、相手先)が確定すると、その第1回目の交渉においては
まずどういうことを探り、相手先候補から引き出すかということになります。
例えば、あるA社がb社と交渉をすることになったとします。
b社としてももし自社の遊休設備を活用できるのであれば願ったりかなったり
ということで、まずは話を聞いてもらえることになったとします。

ここで、第1回でのゴール(到達点)をどこに設定するかということですが、
いきなり自社の知的財産を活用してくれ!というような交渉はまずしないでしょう。
まずはA社から、今回の交渉のテーブルに着かせてもらったことに対する感謝を
述べたのち、b社の意図を探りながら、こちらの要求を飲んでもらえるかどうかを
探ることになります。例えば、A社より
「b社様のホームページを拝見しました。非常に短納期で商品を供給することが
お得意のようですね。なぜそのようなことが可能なのですか?」
「b社様の技術の強みとなっているところはどこでしょうか?
当社の持っている加工技術とは非常に相性がいいように思うのですが」

等の質問を、交渉の状況を見ながらぶつけていくことが考えられます。

ただ、すぐに相手(b社)が答えるとは限りません。
b社の反応によっては、先にA社の会社概要・製品の特徴の説明等を行った上で、
徐々に場の空気を見ながら質問をしていくことが必要になります。
「場作り」とか、「アイス・ブレーク」という言葉がありますが、
第1回目の交渉のときはお互い緊張していますし、
「相手はいったい何を言ってくるのか」と思い構えている場合がほとんどです。
そのような空気の中で交渉を進めても、いい結果に導くことは非常に難しいため、
最初は例えばA社の営業部長(得意先や販売促進のための交渉に慣れているとします)
から場の空気を和ませるためのやり取りを行うとか、工夫が必要です。

一つの手として、「他愛のない世間話から入る」ことも私たちは良く使います。
例えば、
「今日はわざわざお時間を作って頂き、有難うございました。来る途中で立派な
建物があったのですが、あれは何でしょうか?」
「御社は工業団地の中にあるんですね。この工業団地の中にe社さん
(b社とはライバル関係にはない)も入っておられますが、いいお付き合いをさせていただいてます」

とか、相手も乗ってきそうな話題から入っていき、「アイスブレーク」ができたところで、
本題に入り、「b社様が今回、交渉に応じて頂けたのはどういう理由でしょうか?」
というように、相手に対して「なぜ?」をぶつけ、意図を探っていくようにします。

また、b社からも「なぜ当社にアプローチしてきたのか?」というような質問は
当然予想されますから、それに対しても適切に答えていきます。

こうして、第1回交渉の中でb社の意図(例えば遊休設備を有効活用したい、取引先を増やしたい)
を確認しつつ、自社の知的財産活用の目的(例えばコストダウンと短納期化)に合致するかを見極めていきます。

相手の意図を探るハードルを越えたら、次にどのような
ハードルを越えるかについては、次回に説明します。