知財活性化提言~その50:知的財産交渉において超えるべきハードル(3)

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今回は知的財産交渉における3つ目のハードルを
いかにして超えるかについて
書こうと思います。

前回説明した何度かの技術交渉により、保有する特許の権利範囲に入った状態で
仕様が固まった後は、知的財産の活用に対する技術面以外の条件交渉の段階に入ります。
この交渉で条件が決まれば、あとは正式契約へ・・・ということになります。

ここで、条件として決めておくべき事項は何かを整理しておくと、
①知的財産の活用範囲
②活用する地域、期間
③実施料
④実施料の支払い方法
が主な事項になります。

この中で、①と②は比較的容易に決めることができるでしょう。
①は前項で仕様が固まればおのずと決まってきますし、
②は例えば東日本と西日本に分けたり、知的財産の残存期間中ずっと活用するのか、
期間を限定するのか等を決めていくことになります。
やはり、最終的に合意に至るのに困難を要するのは、③と④になってきます。
例えば、知的財産を保有する側であるA社と、利用する側であるb社で
希望する条件にかなりの隔たりがある場合が往々にしてあります。
この条件の隔たりを、交渉で詰めていくことになるわけです。

例えばA社にとってベストの条件を設定している状態でその設定理由を説明することになりますが、
・実施料5円は、ボルトナットの原価100円の5%。
・生産実績は毎年変わると予想されるので、それに応じて毎年実施料を継続して(つまり、ランニング)支払ってもらいたい。
という説明をしたとしても、b社として受け入れられない理由があり、
違う条件を提示してきていることを考えて、「どこまでなら受け入れられるか」
を社内でも検討しながら交渉を進めていきます。例えば、

毎年支払ってもらいたいところは譲れないが、実施料単価はもう少し引き下げる。
或いは定期的に(例えば3年ごと)、生産実績に応じて実施料を見直す

という条件にしてもいいかもしれません。
重要なことは、
・条件設定を多少変更しても、「ライセンス許諾によりWIN-WINの関係を構築し、
研究開発を促進する」基本線からはぶれず、支払条件が落としどころと大差ないのであれば、
条件変更も受け入れるという選択肢も持っておくことです。
フレキシブルな対応も交えながら、交渉を進めていきましょう。
あくまでも、「お互いがWIN-WINになる条件」を見つけていくべきです。