知財活性化提言~その62:知的財産の「見せ方」を考える

画像No.62

 

今回は、前回予告しました通り、

「知的財産の見せ方」の一例をご紹介します。

この「知的財産の見せ方」にも、実際にはその目的や、
見せる相手に応じて臨機応変に変えていく必要があるのですが、
今回は、
「今後の技術開発の方向性を検討するために、自社特許の内容を俯瞰し、
競合他社と比較しようと考えたと」想定してみます。
その際、よく用いられているものの一つが「知財マッピング」です。
行う作業手順としては、例えば以下のようになります。

①自社の保有特許を抽出する。
②抽出した特許の内容を「課題」「解決手段」という切り口で分類する。
③競合他社の特許も同様に抽出し、分類する。
④それぞれの特許を「課題」「解決手段」でマッピングする。
このような手順で作成した例を下図に示します。

第18項

このマップそのものはご存知の方も多いかと思いますが、
「バブルチャート」というもので、この場合は横軸に「課題」、縦軸に「解決手段」をとり、
それぞれのマトリックスに該当する特許をマッピングしています。
また、バブルの大きさは特許の数を表しています。

これによって、例えば、以下のようなことがわかります。
(A社を自社、C社を競合他社とします)

・自社は品質と作業性を向上させるために独自の構造を開発している。
・それに対し、競合他社は主に生産性(コストダウン)を向上させるため、製造方法の
工夫を行っている。

もし、競合他社が自社に比べコストが安い製品を市場に投入しているとすると、
その技術的な源泉は「製造方法」にあるという判断ができるということになります。

このように、保有している知的財産を分類し、マッピングすることで
その位置付け、他社との優位性、独自性がわかり、
また他社に比べて弱いところも明確になってきます。
このマップを見て、今後どのような技術開発を行っていくかは自社の判断になりますが、
例えば

・さらに顧客のニーズを解消する新構造を開発する。
・競合他社に対抗するため、独自の製造方法或いは材料開発によりコストを下げる。
・コストダウンにつながる新構造を開発する。

等々、技術開発方針が考えられます。

ここでもう一つ、留意すべきことを申し上げれば、
「必ず、実際に製品を売る営業部隊か、製品企画を担当している人も加えて技術開発の方向性を練る」
ということです。営業部隊が現場で得られている顧客の「生の声」、
製品企画する上で把握しているマーケット、顧客ニーズも
考慮に入れた上で技術開発をしていかなければ、
無用な開発から不要特許を生み出すことになりかねないからです。

くれぐれも、「全社一体となった技術開発方針の策定」が大事です。

これ以外にも、知的財産の見せ方はいろいろあります。
その時の目的、見せる相手に応じた見せ方を工夫しなければなりません。

御社独自の「知的財産の見せ方」、考えてみるのも
面白いですよ!