知財活性化提言~その75:誰のための知財活用か

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「ウチは規模も小さいし、ネームバリューもないので、
販売については大手の力を借りるしかありません。
なので、ライセンス契約を結んで
ある会社に販売協力をしてもらっています」

これは、先日ヒアリングさせていただいた
会社の社長がおっしゃっていたことを意訳したものです。

その会社は規模は小さいながら、他社では実現できない
低コストで安全な装置を開発し、特許を取得している
のですが、
営業面での弱みを解消するため大手企業と手を組み、
特許を使った販売ライセンス契約を結んで
全国展開をしようとしていました。
すでにその効果も上がっているようです。

この例は、特許を活用した典型例の一つです。
一般的に中小企業は、大手企業の下請けとして
培った技術力を有していますが、
いかんせん自分たちで製品を売る力に欠けているのが
共通の「弱み」であると思います。

その弱みを解消する手段として、
特許を活用しているわけです。

特許を取得すれば、
特許権者は他社に実施権を許諾することができますが、
実施権のうち「販売」だけを許諾することも
可能です。
突然ですが、今年の大河ドラマは「真田丸」ですね。

先日、「真田丸」で真田紐考案のエピソードが
ドラマ化されていました。
真田紐を考案したのが真田信繁であるというのは
俗説で、真偽のほどは定かではないようですが
ドラマの中では、幽閉生活の中
困窮する真田信繁が、あるヒントから
「真田紐」を考案し、

・販売代金の10%をもらう。
・「真田紐」という名称を必ず使う。

という条件で九度山の住人に販売を代理させ、
それが売れて生活が楽になるというような
ストーリーだったかと思います。

今でいう、商標を活用した「フランチャイズ経営」に当たる
方法ですが、私には別の視点があるように感じました。

それは、「仲間」を作るか、「敵」を作るかという視点です。

仮に百姓に販売を代理させるとしても、
それがうまくいく前提として、
「信繁が九度山での十数年の生活を通じて
地元の住民と緊密な関係を構築していた」が
あったのではないでしょうか。
もし、例えば「自分は名門の武家で、地元の
住民とは一線を画して生活していたとしたら
うまくいったとは思えません。

知的財産を活用する場合でも、その前提には
「信頼関係の構築」=「仲間となっている」という
ことが必須なのです。

逆に、知的財産を活用しない企業や個人は、
(全てではありませんが)
「自分以外は敵」という考えのもと、
知的財産を専守防衛のためのツールとして
誰にも使わせず、結局放置されている場合が
少なくありません。

知的財産を使う目的は、最終的には
「利益」を生み出すためですが、それは
自社だけの利益ではなく、
「仲間」を作り、
「仲間」と分け合える利益を生み出すことに他ならないのです。

それが分かっている会社の経営者は、例外なく
お世話になっている人に貢献できるにはどうすべきかを考え、
それを実現するために知的財産を活用しています。

「仲間」を作り、「仲間」と共に成功できるための
知的財産活用をすべきなのです。

御社は、「仲間」を作っていますか?
それとも、「敵」を作っていますか?