知財活性化提言~その92:特許出願の戦略的対応

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「後藤さん、この出願については
特許出願中という形にしておいて、
審査請求はビジネスの状況に応じて
いつ行うかを決めることにします」

これは、先日打ち合わせをさせていただいた
お客様がおっしゃった言葉です。

私を含め複数の弁理士が対応した
特許出願について、今後の対応をどうするかに
ついて打ち合わせをし、こちらかも
アドバイスさせていただいた結果として
上記のようなご決定をされました。

以前、このコラムにて
「権利化のスピードとビジネスのスピードを
一致させるにはどうするか」について
書きましたが、
上記のような場合はこの時の状況と
逆行しているように思えるかもしれません。

しかし、場合によっては
「すぐに権利化せず、特許出願中の状態で
置いておく」という手もあり得るのです。

例えば、
・早期審査請求制度を活用したり、
特許出願と同時に審査請求をしても
ビジネスのスピードに追い付かないと思われる場合、
・審査の結果、特許になる可能性が
不透明(感覚として、五分五分以下)の場合

には、すぐに特許の行く末を決めず、
特許出願の状態で他社をけん制するという
ことも考えられます。

少なくとも、出願してから3年間は
けん制効果を期待することができます。
(他社が権利化の状況について様子を見る等)

上述のお客様は、知的財産の使い方について
よく検討されているため
上記のような決定もすることができますが、
中には「出した特許はすぐ権利化だ!」といって
早く特許にしようとする場合もあります。

この場合、出願した内容のままで特許になればよいですが、
特許が拒絶されたり、権利範囲が非常に狭まった
状態で特許になっても、他社へのけん制効果は
ほとんどありません。

要は、展開するビジネスのスピード、内容、
権利化を図る特許の権利化度合いの予測、費用対効果を
検討し、総合的に判断しなければ
ならないのです。

御社は、出願した特許の対応について
ビジネスと結び付けて検討していますか?
むやみに特許化を図ろうとしていませんか?