今回の知財活性化提言~第4回:知的財産活用における特許とノウハウの見極め~

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A社の社員「当社でも、商品を販売したあとに、これ特許で出しとかないといけなかったんじゃないの?って思うようなアイデアがあります。なかなか販売前に見極めるって難しいですね」

後藤「それって、御社にとって秘密にした方がいいノウハウかもしれません。特許にしなくてよかったかもですよ」

これは先週、企業様の異業種交流会で、とある食品会社の社員の方と私との会話の一部です。

この会話だけでは、なかなか分かりにくいかもしれませんが、知的財産の活用を考える上で

非常に重要なことが示唆されていると私は感じました。

それは、「この会社ではノウハウと、取得する知的財産の切り分けができているのだろうか?」ということです。

知的財産には、特許・意匠・商標のように、特許庁に申請して登録を受けるものだけではなく、

企業やその社員が独自に持っていて、社外に出さない「ノウハウ」というものもあります。ご存知の方も多いでしょう。

例えば、コカコーラの製法や、金属材料に少しだけ投入して特性を変える「鼻薬」のようなものは

「ノウハウ」として社外には出さないのが普通です。

しかし、これを徹底できている企業様はいったいどれだけあるでしょうか?

「何でも特許で取ってしまえば、権利を持っているのだから問題ない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、特許で申請する際は、その発明が第三社も実施できる程度に内容を公開しなければなりません。

それが特許庁が特許を与える上での大原則です。

一方、何でもかんでも特許で出してしまうと、その内容が第三者に公開され、ライバル会社にとって

格好の研究材料となり、ひいては「この会社はこんな開発をしているのか、じゃうちはこうやってもっといいものを作ろう」という

技術情報を自ら漏洩してしまうことにもなりかねないのです。

会社内で何か新しい技術やアイデアを生み出したとして、将来それを使いこなすためには、

「これは特許として権利化しておくべきか、ノウハウとして門外不出にするか」をきちんと考え、決定していく必要があります。

要するに「技術・アイデアの目利き」です。

これができない会社は、知的財産に無駄な労力とコストをかけてしまい、

他社に有益な情報を与えただけで自社の成長をかえって阻害することになります。

そして、ノウハウとして管理する場合にはそれをどのような体制でどういうルールで管理するかを決め、

社内に浸透させて外部に漏れないような仕組作りも必要です。

あなたの会社では、ノウハウにするものと権利化するものの判断をちゃんとしていますか?