今回の知財活性化提言~第7回:知的財産を活用できる経営者の考え方 その2~

画像No.7前回の本コラムで、経営者として成功するための要素には3つあり、

その一つは「勉強熱心」であるということをお話ししました。

今回は、残りの2つのうちの1つについて、お話しようと思います。

その要素も、知的財産の活用を考えるうえでは不可欠であるからです。

その要素とは何か?

それは、「素直である」ということです。

ちなみに「素直」という言葉を辞書で調べてみると、

1 ありのままで、飾り気のないさま。素朴。
2 性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさま。従順。「―な性格」「―に答える」
3 物の形などが、まっすぐで、ねじ曲がっていないさま。「―な髪の毛」
4 技芸などにくせのないさま。「―な字を書く」
5 物事が支障なく、すんなり進行するさま。

(デジタル大辞泉より)

という意味があります。

私がここで言う「素直」とは、上記の2.の意味に似ていますが、決して「単に他人の言いなりになる」

「言うがままに従う」ということではありません。

すなわち、「素直」とは、「相手の意見、考え方を肯定も否定もせず、受け入れる」ことを意味します。

これがなぜ、知的財産の活用と関係するのか?

例えば、特許や意匠・商標権をめぐって、他社や他人とライセンス交渉を行う場合があります。私も

交渉の場で他社の渉外担当者とやり取りをさせていただいたことがあります。

その場合、相手の考え・提案内容を一切受け入れず、全否定したらどうなるでしょうか?

お互いに平行線のまま、結局は不毛な訴訟へ進んでしまう可能性が高くなります。

訴訟対応は、多大な経費の浪費・時間の浪費だけでなく、精神的な疲弊ももたらします。

よほど、訴訟による効果が会社にとって有益であると判断できなければ、やみくもにやるべきではないというのが

交渉担当であったときからの私(私が勤務していた会社)の考え方でした。

では、どうやって交渉に臨んでいたか?

まず、相手の考え・提案内容をそのまま聴きます(受け入れるのではなく、肯定も否定もせず

「御社の考えはこうなんですね」ということを理解する)。

その上で、その内容を検討・吟味(有利な点、不利な点を客観的に洗い出す)し、こちらの対案を作成して

交渉時に議論を深めていくというやり方をしていました。

これで、まとまらなかった交渉は過去に1件もありません。

特に中小企業がこのようなライセンス交渉に臨む場合、経営者が直接交渉する場合が少なくないと思います。

その場合、この「素直になる」ということを忘れてしまうと、結局自分の独りよがりの考え方から抜け出せず、

交渉しても全くの平行線に終わるか、相手の主張の言いなりになったまま

不利な条件でライセンス契約を結ぶということにもなりかねないのです。

ライセンス交渉を「WIN-WIN」の関係でまとめるうえでも、この考え方は非常に重要であることを

肝に銘じていただきたいと思います。

皆様は、「素直」ですか?