今回の知財活性化提言~No.3:知的財産における守りと攻め~

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「へー、その話「目からうろこ」でした。今まで、知的財産って単なる守りの道具と思ってました。知的財産も活用できるツールなんですね」
以前、あるセミナーの後の懇親会で、御隣同士になった人の言葉です。そのときは、名刺交換から私の経歴・得意分野の話をさせていただき、
知的財産の活用について少し思っていることをお話ししたところ、上述のような反応が返ってきたということです。

上記のように、知的財産はもっぱら「守りの道具」と考えている方々が圧倒的に多いのではないでしょうか?

日本の企業(とくに家電メーカー)は、知的財産を「守りの道具」と考え、自社の商品を「守る」ことのみを理由に
知的財産権を取得し、維持管理をしてきました。今でもそのような会社が圧倒的に多いと思います。

しかし、そのような会社が現在、成長を遂げ、収益を上げているといえるでしょうか?答えは「No」ですね。

確かに、知的財産は「守りの道具」である側面も持っています。それ自体は否定はしませんし、20年ぐらい前までは、そのような考えで知的財産を取得し、維持管理することだけで企業の収益向上に貢献をしていました。

しかし、今は「守りの道具」としてのみ使うという考え方はもはや通用しません。

例えば、ある商品を開発した際に、その開発の中で生まれた新しい技術をどうやって活用していくかについて考えたとき、
考え方の違いによって以下のような発想になってきます。

知的財産を「守りの道具」としてのみ使う→とにかく自社の商品だけ守れたらよいので、自社商品に採用されているアイデアだけを権利として取得するという発想になる。

知的財産を「活用するための道具」として使う→自社の将来を考え、他にどのような商品に展開できるか・どうすれば他社が使いたくなるか・どのような変形をすればもっと良い商品になるかを必死に考え、それらを知的財産として取得するという発想になる。

どちらがその会社にとって有益な知的財産になるでしょうか?いうまでもなく、後者です。

つまり、知的財産を取得する際には、その知的財産が活用できる期間にわたって、その活用の仕方をイメージし、他社の先手を打って
「他社も使いたくなるような知的財産」「将来の事業展開・商品展開に利用できる知的財産」に仕上げていく必要があるのです。
「守り(自社商品の保護)と攻め(他社へのけん制・ライセンス)」のバランスを考慮する必要があるということです。

これができない会社は、いずれ海外企業も含めた他の企業に後れを取り、衰退してしまうことは明らかです。

あなたの会社では、知的財産は単なる「守りの道具」ですか?「活用できる道具」ですか?